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ひらり
そんな僕の前に
白い何かが横切った。
「誰か来たのかい?」
その何かに訪ねてみても返事はない。
当たり前だ。
その白い物はカーテンと言う物で
声を掛けたところで返事などあるはずがないんだ。
「何だ、つまらない」
ひらり、ひらり揺れるカーテンの向こうに見えたのは
とても可愛い女の子だった。
「…せみ?」
女の子は僕を見て、ただそう言った。
「そっか、君も生きて居るんだね」
その一言に
僕はなぜだか救われた気がした。
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