一章 思い出

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…。 ……。 ………。 ……………。 「ここキレイよね。 マイスくん、連れてきてくれてありがとう♪」 「いえ、たまには。」 ──オッドワードの谷、虹登る滝。 ここは、マイスがダリアにプロポーズをした、思い出の場所であった。 今日はマイスの思いつきで、2人は久々のデートに来ていた。 「ねぇ、少し休んで行かない?あの時みたいにゆっくり話ししようよ?」 あの時、と言うのは結婚前、つまり2人が甘い時間を過ごした──いや今でも十分に甘いが───そんな、恋人時代に交わしたデートの事である。 「……はい。」 ゆっくりと、マイスは頷く。
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