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「……わたし、ずっと怖かった。暗くて、何も見えないし、自分がどこにいるのかわからなかった。
──でも、マイスくんの声はずっと聞こえてた。何でだろう?
これが、愛?なんて。」
頬を少し赤らめながら悪戯っぽく笑うダリア。マイスの反応を見ているらしい。
しかしそれを聞いたマイスは、
「…愛です。」
躊躇いもなく、はっきりと言い放った。
「えぇーっ!ちょ、ちょっと!真顔で言う!?」
一瞬の硬直の後、耳の端まで真っ赤になりながら半ば叫ぶように喋るダリア。
「ええ…僕はそう思っていますから。」
にこりと、微笑みながら返すマイス。
「………少し、かっこいいじゃない。助手のくせに……。」
しばらく沈黙が続く。
流れる滝の音だけが、二人だけの空間を支配する。
「……一つ、聞かせてくださいダリアさん。」
その沈黙を破ったのはマイスだった。
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