45人が本棚に入れています
本棚に追加
何かを決心したかのようにマイスは言葉を続ける。
「僕と結婚する事は……怖くありませんでしたか?」
ずっと、気にかけていた事。
聞こうと思えばいつでも聞けた事。
だが、怖くて聞けなかった事。
「………怖かった。」
少しの沈黙の後、目を伏せながら小さな声で言った。
「………そう……ですよね…。」
自分の中に……マイスの中に流れる血は、人間としてのそれだけでは無い。
異形の者の血。
いくら可愛らしいモコモコの血で在ったとしても、人で為らざる者、モンスターの血………だ。
怖くないはずが……無い。
覚悟はしていた事だ。
だがやはりその事実は重い。
最初のコメントを投稿しよう!