139人が本棚に入れています
本棚に追加
夢愛は騒がれる中、全く笑顔も見せず、挨拶をするわけでもなく、ただ無言で歩いていた。
そんな中、一人の女の子が走って来た。
女「あっ…あの!」
夢愛「………」
夢愛は無言でその女の子を見た。
女の子は身長が低く、小柄な可愛らしい子だ。
バッジの色が青だ…
てことは1年生…?
この学校は、バッジを常に制服に付けるのだ。
小学生や中学生で言えば名札のようなものだ。
そのバッジは学年ごとに色が分かれており、1年が青、2年が赤、3年が緑だ。
女「あ…の…//」
女の子は何か言いたそうだが、なかなか言えない様子だ。
夢愛「…何?」
夢愛が聞くと、女の子はガバッと顔を上げ、驚いた様子だが、とても喜んでいた。
女「ま…まさか、夢愛先輩が話てくれるなんて…//感動です!それに、夢愛先輩のお声…初めて聞きました…//」
夢愛「変な子…私の声ごときで、そんなに喜ぶこと?」
女「喜びますよ!//一度お声を聞いてみたかったんです!」
夢愛「そう…で?何か用事があったんじゃないの?」
女「あっ…!」
女の子は、忘れてた!と言わんばかりに、思い出した…という顔をした。
女「おはよう…ございます//」
私なんかに挨拶をするためにわざわざ?
この子…
可愛いし、すごくいい子…
夢愛「おはよう」
女「!!!」
女の子は、感動したようだ。
そこまで喜ぶことなの…?
だけど、嬉しい…という気持ちがある。
少しは、今の私から抜け出せるの…かな?
女「それじゃあ夢愛先輩!また//」
夢愛「えぇ…あっ、貴方」
女「はい?」
女の子は振り返り、夢愛に目線を向けた。
夢愛「貴方…名前は?」
女「え…?あっ!1年の三堂 夏澄【ミドウ カスミ】です//」
夏澄ちゃん…か。
夢愛「夏澄ちゃんね?…覚えておくわ…」
女「はっ…はい!//ありがとうございます!//」
女の子はペコリと一礼して、走って行った。
.
最初のコメントを投稿しよう!