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そんな僕の住処は神社の賽銭箱の後ろ。
神社といっても神主もいないし、お参りに来る人なんてまずいない、完全に廃れてしまっている神社。
周りにだって草がいっぱい覆い茂っている。
身を隠すのにも最適な場所。
僕はいつも通りほけんじょの遊びに付き合い、疲れたので昼寝でもしようと、住処で体を休めている時だった。
制服姿の女の子がこのボロ神社に近づいてきているのがわかった。
うそだろ!?こんな神社に!?
僕は大きく伸びをし、賽銭箱の陰から女の子の様子を伺った。
チリン。
僕は首輪の鈴を鳴らしてしまった。
首輪は前の飼い主にもらったもの。外したいのに、自分では外せないのでつけているしかなかった。
女の子も音にびっくりし、小さく声をあげたが、僕に気づくとホッと表情が緩めているのがわかった。
「かわいい、おいで~」
そう言って僕に手を伸ばす。
いつもの人間のパターンだ。
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