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「ああ…ダリぃ…。」
「そ、そうか…。」
井上は下を向く。
と、波勉が口を開く。
「なぁ井上…。」
「ん?」
「……」
「……」
しばらく沈黙が続く。
がその空気を貫いたのは、井上だった。
「な、なんなんだよ?」
波勉が井上と目を合わせて言った。
「俺……」
井上が唾を[ごくっ]っと飲みこんで、真剣に波勉の顔を見た。
「…うん、俺学校辞めるわ。」
「…は?」
波勉が見た井上は、目が点状態…口が開いて唖然としている姿だった。
「学校辞めるわ。」
もう一度波勉が繰り返したことで、井上が我に帰る。
「…ってえぇぇぇ~!?」
井上のリアクションは波勉が思っていたのより、かなり激しかった。
『まあ無理もないか…』
そう自分で納得した波勉は席を立ち、教室を出ようと歩き出す。
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