始まり

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父が検査に行ってから30分位の頃、私は伯父に呼ばれ、診察室へ呼ばれた。 眠 『失礼します』 重次 『やぁ、眠ちゃん。わざわざすまないね』 眠 『いつもご無沙汰しています、伯父様』 私が部屋に入ると、父の姿が見当たらない。 眠 『お父様はどちらに?』 重次 『うん、今は内科の方で検査を受けてもらっているよ。まあ、とりあえず座りなさい』 眠 『はい、それで私にお話とは……』 伯父はカルテを手に取ると、険しい顔で私に向き直った。』 重三 『……落ち着いて聞いておくれ。重三のことだか……あいつの余命はもう幾許もない』 祖父は口元に手を当てて、言葉を選びながら、ゆっくりと父の死期を告げた。 眠 ……お父様がもうすぐ亡くなる 眠 『それで、お父様は、どれくらい……』 重次 『持って1ヶ月、と言ったところかな』 眠 『……そう、ですか』 眠 『……ありがとうございます、伯父様』 それから父も検査から帰って病院を出た
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