始まり

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父は、家に帰る途中にこんな話しをしてきた。 重三 『もし、おまえに結婚するつもりがあるならば、今から結婚相手を決めておくことだ』 眠 『えっ?』 父からの突然の言葉に、私は戸惑いを隠せなかった。 重三 『お前も分かっているだろうが、私たちは寿命が短い。知っているだろう』 眠 『……はい』 重三 『子供を授かりたけれは卒業まてには決めておきなさい』 眠 『それは分かっていますが…でも、私はまだ…』 重三 『何だか?好いている相手くらいおらぬのか? 眠 『……』 重三 『無理に答えることはないが』 眠 『お父様、どうして突然そんな話しを』 重三 『なに、眠に結婚する気があるなら、自分か生きている間に、その相手を知っておきたいと思ってな』 重三 『重次に言われるでもないわ。自分の身体のことは、自分が一番分かっておるわ』 重三 『娘に手を引いてもらわねば歩けんようでは、もうそうながくはないわ』 眠 『……結婚するつもりはあります』 重三 『そうか』 それから私たちは、家に帰った
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