現実逃避気味なプロローグ

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 人間、食事をしている時は気を許しやすいなんて話もある。  告白成功率を多少でも上げようという、俺の意地汚く感じなくもない涙ぐましい悪足掻きも計算に含まれていたりするが、これに関しては果たしてどれだけの効力があるのか。  と、いつまでも考えていたところで仕方がない。シミュレートはシミュレート。現実は考えている以上に厳しく理不尽なものだ。  故に、楽観視はしないでおく。  あとは実践あるのみ、なるようになれだ。  まず件の限定プリンを手に入れないことには何も始まらない。  ここまで来て行動指針を変えることはできないからな、意地でも三種のプリンすべてを確保してやる。  ……さて、どうやらそろそろ現実逃避をやめなければならない時間のようだ。  名残惜しいが、君とはここでひとまずお別れだ。  話に付き合ってくれて感謝する。  また機会があればこうして話を聞いて欲しい。
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