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正直、この話をするのは、非常に躊躇われる。
恐らくは、この結末は、春休みの僕のようにどうしようもなく、
僕のように、避けて通れたはずの道であったのだ。
だが、最大の当事者であるところの、神原駿河…彼女は、絶対にこの一連の騒動を、自らの胸の内にしまうことはないだろう。この騒動は神原駿河自身が原因の一端だったからだ。だからと言って、彼女だけが原因で責任というわけでもなんでもない。僕の責任でもあるし、戦場ヶ原の責任でもある。
そんな込み入った事情を僕が語り始めるのもおかしな話だが、それでも、これは話さなくてはならないことなのだろうと、思う。
どちらにしても。
話さなくても、漏れてしまう。
そういう--怪異だった。
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