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「何だよコイツ!弱ぇぇじゃん!オラ!オラ!」
ドカッ…バキッ…ドスッ…!!!
ガラの悪い二人の少年は光井にやりたい放題。光井は殴られ蹴られ…耐えながら少女を守る!
「ちぇっ…つまんねぇ。行くぞ!ったく!」
「二人でイチャついてな、タコ!ぺっ…!!」
何たる侮辱!最後は唾をかけられ、光井はボコボコになった顔、ボロボロになった服で青痣だらけで、
「危なかったね…大丈夫だったかい…?うぐっ!!」
少女は泣きながら…
「ごめんね…あたしなんか助ける為に…あなたこそ大丈夫なの?手当てしなきゃ!ちょっと薬局行ってくるから待ってて!」
少女は光井に手当てをする為に近くの薬局へと走った。ポニーテールに明るめの茶髪で少し背の低めの萌え系?な感じのコである。
「やさしいコだなぁ…今どきのギャルなんて『何やられてるくせに助けてんだよ!うざいしぃ~!』って言われるのが関の山なのに。しっかし痛ってぇ…これ普通の奴なら死ぬぜ?俺は鍛えてるからいいけど。」
ぶつくさと独り言を言ってる間に少女が戻って来た。
「大丈夫ぅ?ほら、座って。ちょっとしみるかも。」
「あ…あい痛たたた☆☆~w(☆o◎)w」
「ごめぇん…」
“かわぃぃ(* Д`)”
二人は場所を喫茶店に移し色んな会話を楽しみかれこれ二時間が過ぎた。光井はまさかこんな“出逢い”があるなんて…人生捨てたもんじゃない!と一人で舞い上がっていた。
「でさぁ今頃なんだけどね君、名前は?」
彼女はアイスティーのストローで溶けかけの氷をかき混ぜながらふと、考え込んだ表情をした後に答えた。
「ナツミよ。」
「ナツミさんかぁ…あっ、ごめんね俺は勇輝!ナツミさん今考え込んで名前言ったでしょ?ほんとにナツミなのかなぁ~?」
「こらぁ!疑うの?あたし達まだそんな関係じゃないでしょ?プン!」
「ごめ、ごめん、ごめんねナツミさん。」
光井は更にとんでもない質問が頭をよぎってしまったのだ…。
「あ…あの…あのあの…ナツミさん。か…かかか…彼氏はい…い、いるの?」
ナツミは瞬時にして表情が曇ってしまった…。
“やべ!やべぇぞ!俺!しまったぁ~幻滅されたかなぁ…あちゃあ~!”
「聞いてくれる?勇輝くん…。」
その潤んだ瞳にドキッとした後、光井は真剣な眼差しで、
「何か…あったの?俺で良ければ…聞くよ。」
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