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「あいつ一人で買い物行った割りには遅っせぇなぁ?」
高城がぼやく。カズマが外に出て空を見上げ眺めていた。高城が歩み寄る。
「何してるんだ?」
「このX-00地区には色んな俺の苦い思い出が有るなぁってな。」
「そぉいゃあ魔導師の二人が来襲してお前が俺のライダーベルトで変身して仮面ライダーのお前が誕生したのもここだったな。」
「そうだな。今では俺の肉体の一部だ。しかしそのせいでお前はライダーになれなくなった。すまない。」
「何言ってんだよ。お前がいたから俺は命拾いした。感謝してるよ。俺さRED基地がカタス何とかって奴に襲われた時、殉職した早坂が俺にライダーに復帰してくれって。でもなぁライダーベルトなんてもう無いからなぁ…あいつの遺言、守りたいんだけどさぁ。」
小田切が煙草をふかしながら高城に何か言いたげに二人に歩み寄ってこちらに来た。
「光井も02が破壊され今じゃ丸腰だよな。高城、お前と光井…ライダーになれるチャンスは有るぞ。」
「えっ?」
「お前が早坂君からそんな遺言を貰ったとかお前がライダーとして戦いたいとかそんな事、知らなかったからわざわざ言う必要は無いと思っていたが…。」
高城もカズマも生唾を飲み込み小田切の話を真剣に聞く。
「ライダーベルト研究室の元研究員、影山琉(カゲヤマ リュウ)を訪ねてみろ。」
小田切が影山の名刺を高城に渡す。
「隊長、何でこの人、研究員を辞め一人でライダーシステムの研究を?」
「赤羽に失望した一人だ。私利私欲の赤羽に着いて行けなかったのだろう。己の正義を貫く為に独立した。彼もまた、あの赤いライダーベルトの研究に携わった一人。俺達の力になってくれるはずだ!」
一方、デート中の光井はナツミから深刻な話を聞く事に…。
「あたしには彼氏がいたわ。けど一ヶ月くらい前…殺されたの。デビルに。」
「デビルに!」
「三本角のデビルに襲われたの。彼の仇討ちをしたい!けど…あたし一人じゃ何も出来ない。泣き寝入りよね。」
まさか!と耳を疑った光井が少し小刻みに唇を震わしながらナツミに聞く。
「ナツミさん。分かればでいいんだけど、その三本の角のデビルって?」
「魔王の後継者のデビルらしいわ。名前は、ゼノン!」
「ゼノン…」
耳を疑った光井。しかし三本の角、魔王の後継者のデビル、名はゼノン。どう考えてもカズマ以外考えられない。
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