†Story.8†

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彼女の虜になった惚れやすい光井はナツミの言う事が嘘な訳が無いと強く思い強ばった表情でX-00地区の秘密基地へと帰って来た。 柴崎が光井に声を掛ける。 「あら、光井君。おかえり。遅かったわね。」 「あの…高城さんはどこっすかね。」 「あぁ、えっと…部屋にいるかしら?」 光井は高城の部屋に向かって突然走り出す。 「……?どうしたのかしら?」 ドンドンドン! 荒々しく高城の部屋の扉を叩く光井。 「高城さん!高城さん!いるんすか!」 ガチャ… 「コラ!お前何やってんだ!!どしたんだよ?」 「高城さん…話があります。二人っきりで。ちょっと外まで付き合ってもらえますか?」 「あっ…あぁ。分かった、いいだろう。」 高城と光井はX-00地区から少し離れたX-05地区のファミレスで食事をする事になった。 「えーっと…俺は何にするかな、光井お前は?」 「ドリンクバーで結構です!」 「お前何カリカリしてんの?」 更に強ばった表情で光井は姿勢を正し本題に入る。 「高城さん、カズマさんってゼノンですよね!」 「少し小さな声で話せ。今更何言ってんだよ、ゼノンだよ。本名はな。どうかしたか?」 「ここ一ケ月前くらいにカズマさんに怪しげな行動とか有りましたか?」 「は?何聞きたい訳?お前それってカズマが信用出来なくなったって事か?」 「その通りです。」 唖然とする高城。何故突然そんな事を言いだしたのか高城には不思議でならなかった。 「ふぅ…。落ち着こうか。まず、何故、カズマを疑い始めた?」 「今日、街でかわいいコに出会ったんです。ガラの悪い奴らに絡まれてて助けたんすけど…」 「そのコがどうしたんだ?」 「そのコと意気投合し喫茶店で話してて話す内容が深くなって来て…彼女には彼氏がいたんすけどデビルに一ケ月前くらいに殺されたらしいんす。」 「一ケ月前なんてデビルは出現してないぞ。」 光井が生唾を飲み込みため息をついた後、 「そのデビルの名は…“ゼノン”なんです。」 「お前…ざけんじゃねぇ!!」 小さな声で話せと言った張本人が大声をあげてファミレスのテーブルを両手で叩きつける! 周りのお客さん達が騒然とする…。 店員が…、 「すみません、おとなしくしてください。」 「すみませんでした…。」 カズマを信じて来た高城。REDを解雇されても着いて来てくれた光井が何故!そんな想いが冷静な高城を一気に逆上させたのだ。
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