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次の日の朝―
高城は再びライダーになる為に影山に会いに行く支度をしていた。本当は光井と二人で行くつもりだった。光井は帰って来なかった。
ブルォォン…ドッドッドッドッ…
「気を付けて行って来いよ。」
「あぁカズマ。あのさ…。」
「どうした?」
「すまない、気ぃ悪くしたろ?俺はお前が…」
高城が語っているところへカズマが口を挟む。
「人間体になって名前も偽って“人類の味方してます”って顔でいるけど俺は所詮“デビル”にすぎない。事実、魔王の血を引くデビルだ。疑われてもしょうがない。」
「お前!そんな事言うなよ!お前らしくないぞ!」
「そんな俺なんかの事考えてると道中事故るぞ!今は再び仮面ライダーになる事だけを考えるんだ!とっとと行って来い!」
「ふっ…うるせぇよ。」
高城は影山のもとへ走り出す。X-00地区からかなり離れたR-200地区に小さな研究所がある。そこに影山はいる。
ピピピピッ…
目覚ましが鳴る…。
「ん~、ん~ぁ、」
ピッ…
「勇輝…。」
「ナツミ…お前もう起きてたの?」
二人はホテルから出る。光井のオートバイの後部シートにはぴったりナツミがくっついている。
「なぁナツミ。良かったのかな?彼の仇をまだ討ってないのに。」
「あたしも淋しかったから…いいの。」
高城は―
影山のもとへとひたすら走り続ける。街を抜けると山道に入る。山道には無数の竹藪が覆う。竹藪の影から何と数匹の下級デビルが現われた!
「出やがったな!」
変身出来ない高城はブラストアタッカーのみで応戦する。柴崎が念の為にジャンヌソードとライダーカードを貸すと高城に言っていたそうだが敢えて借りなかった。もし留守中、X-00地区にデビルにでも襲われたら…自分の身を守れと断ったのだ。
「ちっ…キリがねぇな!」
バキッ!ドカッ!ドウッ!
突然物凄いスピードで何かが飛んで来て下級デビル達は瞬時にやられてしまった。
「誰だ?」
「ここの山道は危ないよ。装備はブラストアタッカーのみなの?」
そこに立っていたのはショートヘアで少し変わった軍服の様なセーラー服を着て両手には黒革の手袋をし、ヨーヨーをヒュルヒュル操っている女子高生がいた。
「ス…スケバンコップ?」
「違うわよ!まぁ…意識してるけどさ。お迎えにあがりました。高城さん。」
NEXT→†Story.9†
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