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今世界は大きく動こうとしていた。
数多くの国が乱立する世界の中で、二つの国が国力を背景に台頭し、近隣の諸外国を属国化していっていた。
世界の情勢は、この二つの国が一触即発と言っても過言ではない状態だ。
しかしそんな情勢を知る者は、国の中枢にいる者、或いは戦いを生業とするような極一部の限られた者しか知らないことであった。
属国化された国に住む人々は、その国の支配者の上に更なる支配者が存在することなど気付くことも無く、日々の生活を送っていた。
大人は其々が持つ仕事に精を出し、若者は学校で勉学に励む。
平和を謳歌しているとまでは言い切れない世の中だが、何か困ったことがあればギルドに依頼すれば解決してくれるから、それも人々の心の拠り所となっている。
しかしファンタジックシティ、それも台頭する国のそれは少々趣が異なっていた。
そこに住む一般民衆は別に他の都市と同じく、世界の情勢など知る由もなく生活を送っている。
違うのは国の中枢に属することなく世界の情勢を知る者達が、そのファンタジックシティに集まりつつあることであった。
世界の情勢を民衆が知るのも時間の問題かもしれない。
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