保守的さん

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世界に台頭する二国の内の一つ、モーバー王国。 その王国のファンタジックシティ「ガリスト」を丘から見下ろす一人の男の姿がある。 「活気に満ち溢れてるな。 流石は今をときめくモーバー王国のファンタジックシティといった所か……。 だが、賑やかなのは嫌いではない。」 男はそう呟くと、丘からガリストに向けて歩き始めた。 迷彩柄の襟付きシャツは腕の部分が肘まで巻かれ、同じ柄のズボンの裾はブーツの中に収納されている。 額を隠すように巻かれたバンダナまでもが迷彩柄で、長い黒髪をバンダナで押さえ込んでいるように見える。 左肩に掛けているのは、まるでサンドバックのような麻袋。 そして右手には黒く細長い円柱形のケースカバーらしき物を携えている。 顔つきは全体に彫りが深く、無精髭が目立つ。 肌が露出している部分を見れば一目で筋肉質と分かるゴツさが窺える。 「今の内にここのギルドで名を売っとけば、戦争になった暁には稼げるな。 ギルドの仕事も割の良いのがあれば言うこと無しだが……フッ、それは高望みしすぎか。」 その男はニヒルに笑いながら一人言を呟くと、ガリストの喧騒の中へと消えていった……。
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