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妹は家のすぐ前の道路にいた。
渡ろうとして転んでしまったのか、道路の真ん中にへたりこんでいた。
(ダメだっ!車が来たらっ!)
僕がそう思って脚に力を入れた直後、手前の交差点から車が曲がって妹のいる道路に入ってくる。
僕は必死に走った。
後ろからママの叫ぶような声が聞こえたけれど、振り返ることなく脚に渾身の力を込めて地面を蹴る。
妹の姿が見えないのか車はすぐそこにまで迫っていて妹を連れて逃げるだけの時間はない。
そんな時、妹の姿に気がついたのか車が急に進路を変える。
(これなら妹を突き飛ばしたらなんとか避けられるかも知れないっ!妹は僕が絶対に助けるんだっ!)
キキィィィィッ!
ドンッ!
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