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 丁度その位置、電柱の下。  あるのはダンボール、そのダンボールには定番の『拾ってください』が露骨に書いてあった。  私はダンボールの中を覗いてみた。  それは丸くて白いもの。  私の知っているそれとはやたら大きさが違うけど、それはまさしく―― 「…卵?」  そう、ダンボールの中に入っていたのは紛れもない両手で持てる位の大きさな卵だった。 「…なにそれ?」 「卵」 「るっさい、見ればわかる」 「聞いといてうるさい言うなよ」  意味わかりません、と遅刻ギリギリに登校してきた守崎 結音は自分にそう聞いてきた双子の兄、守崎 永遠にそう言い返した。
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