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 しかし桜橙の言うことは事実で双子は否定できない。  兄の守崎 永遠は茶髪のショートカットで、目が大きく、どことなく幼い雰囲気のせいでとても愛らしい容姿。  しかも結音より若干背が低い。  対して、妹の守崎 結音は腰辺りまである長い黒髪を紺のゴムで一つに結び、きりっとした精悍で凛々しい顔ゆえ、永遠より男前に見えてしまう。  そしてそれは双子に取ってコンプレックスでしかない。  互いに『男の子』と『女の子』と言う性別があるが為、男らしく、女らしくありたいと思うのは自然なこと。  それが中学一年生と言う思春期の真っ只中なら尚更。  結音はため息を吐いた。 「まぁいいや。永遠ー、鞄の中身机に移したいから卵抱いててー」 「んー」  言いながら卵を渡してくる結音に永遠は素直に応じる。  大声をだせば嫌なことはどうでもよくなる性格は双子共通のもの。  似ていないのはどうやら容姿だけの様子。  手を伸ばす永遠に「サンキュー」と言いながら結音は卵を手渡した。 「なんだ。意外に軽い……?」  永遠が卵を手にした瞬間、ぐわっと世界が変わった。
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