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なんの浮遊感も不快感もなく、すうっと引き込まれるような感覚。
そしてその感覚が消えた後、永遠の視界に入ってきたのは。
「……え?」
そこは見慣れた自分の家。
小さな木造建築の一軒家。
そして今永遠がいるのは結音の部屋。
永遠は一気に顔を青くする。
「……え? えええぇぇえぇ!?」
立ち入り禁止をされているわけではないが、仮にも女の子の部屋。
勝手に入っていいものではないだろう。
永遠は慌てながら出ようと襖に手をかけた。
『わわわ! 遅れる遅れる!』
「……ん?」
聞きなれた声に永遠が向くと、そこには慌てながら教科書を鞄に詰め込む結音がいた。
これはいつもの朝の光景。
問題は、何故今永遠はここにいて、どうして結音は学校の準備をしているのか。
『よっしゃ、もう大丈夫! 忘れ物なんかあっても、ない!』
そしていつも通りの結音の決め台詞を発し、鞄を背負って部屋を出た。
その一部始終を混乱する頭で見届けたあと、ふと結音の机にある一冊の教科書。
あれは―――
「永遠ー? おーい、永遠?」
「――――……ん? あれ? 結音?」
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