1296人が本棚に入れています
本棚に追加
*
風が、気持ちいい。
さらさらと頬をなでる6月の風は梅雨に入る前のまだ湿度の低い『それ』で。
衣替えしたばかりの肌には少し冷たいが、それくらいがちょうどいい。
夏にクーラーを効かせ過ぎたくらいな、あの感じ。
それは、
雨が嫌いなオレにとって憂鬱(メランコリー)に陥る前の、いわば最後の時間。
爽やかな気分の俺はただ、1人で空を見上げていた。
落下防止の柵の外で、
靴を脱いで、だが。
最初のコメントを投稿しよう!