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「それで、差し押さえた部費の総額はいくらになった?」
夕映えの部屋の中央、
そこに据えられた椅子に収まる少女は、感情を全く感じさせない声音で目の前に立つ少年に問いかける。
「約50万円強。およそ全体の0.5割ほどです」
「駄目だな。せめて1割。100万は切り詰めなければ」
容赦ない言葉。
だが、それに対して少年は特に表情も変えない。少年にとってコレはもう慣れたことだった。
(決して冷たい人ではないんだけどなぁ…)
少年の、胸の中の呟きを聞く人はいない。
「しかしいいんですか?このままでは生徒会に対して非難が集中してしまいます。
せめて目的だけでも話せば…」
「そうしたら教師どもにみすみす予算を削る余地を教えるようなものだぞ。
……せめて来月までは隠し通さなければ」
「……はい」
生徒会長の前には一枚の書類があった。
そこには『生徒』と『教師』達の間で、全面戦争を起こすだけの“決定事項”が書かれていた。
「絶対に……我々が負ける訳にはいかない」
ポツリと、誰に言うのでもなく自分に言い聞かせるように、
彼女は静かに決意する。
孤高の闘いは始まっていた。
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