女王の、誕生。

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   そう言い放つと、ヤツはバツの悪そうな顔をして 「えー、あー…ごめん。そういう趣味はないんだけどね~」 他が、ね。と彼は言った。 何が他なのか知らないが至極どうでもいい。 「用がないならさっさと消えてくれ」 オレも、さっさとこの世から消えたいのだが。 しかしヤツはそれに答えることもなく、 「そこってさ、危なくない?」 とぼけた事を言う。 「そんなこと言われなくても分かっているが?」 「じゃあ、分かっているのにそこにいるのは?」 コイツ……オレを苛立たせたいのだろうか? 「状況を見ればわかるだろう?」 そこに、ヒュウ、と一陣の風が吹き抜けた。 今までより冷たくて湿った風。 オレの嫌いな、“風”。
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