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「止めておいてくれると助かるんだけど」
遠慮がちに、それは聞こえた。
「何故?赤の他人の言葉など今のオレには響かんぞ?」
口先だけの薄っぺらい戯れ言なら尚更だ。
「だってさ……、
この下って空き教室じゃん?僕、そこに住むつもりだからそういうホラー的なの止めて欲しいんだよね」
「は?、住む?」
何を言ってるんだコイツは?
それに理屈的にも自分本意過ぎるのだが。
「そんなことオレの感知するところじゃない。…化けてでるつもりもないしな」
どうなるかは神のみぞ知るところだが。
そう言い放つと、ヤツはちょっと意表を突かれた顔をして結局、笑いだした。
「ぷっ、あはは!嗚呼、そういえばそうだよねぇ。
化けてでるような未練なんかあったら自殺なんかしないか」
たぶん、何気なく言った言葉だろう。
「………未練、か」
しかし、言われて頭に響く二文字。
“未練”がないから死ぬのか?
いや、
「違うな。オレは生きる意味が見つからないから、生きてても世界に何も影響がないとわかってしまったから“消えたい”んだ」
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