女王の、誕生。

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   言ってから、少し後悔する。こんな会ったばかりヤツに“消える”理由なんて話しても無駄だ。 オレは最後の一歩を踏み出そうと、再びグラウンドの方に体を向けようとした。 「ふうん。キミ、バカだね」 ピシリ、と動きを止める。 …………あ? 今、コイツは何て言った? 「何だと?」 「だーかーら、自分から死を選ぶなんて、しかも借金苦とかならともかく、その理由でっていうのがね。ぷっ……あははは!」 言い放って、ヤツは笑い出した。 それは酷く癪にさわる笑い方で、 プライドの高いオレはそれに我慢できなくて、 もう一回、振り返っていた。
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