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留美は、真人と自分を重ね合わせていた。
今日は勝馬の帰りがやけに遅い。
時刻は22時を過ぎていた。
携帯の番号すらわからない関係・・・
真人は、留美のベッドでぐっすりと寝てしまった。
勝馬は、留美よりも11歳も年上の大人の男だった。
スーツ姿の勝馬に、留美は一目惚れしてしまったのだ。
そんな事を思い出しながら、もう一度時計を見た。
時刻は22時35分、何かあったのではないか。
留美は急に不安になった。
少しすると、誰もいないはずの勝馬の部屋から、女性のあの声が聞こえてくるのだ。
え・・・?
まさか・・・
聞きたくないのに、聞こえてくる。
勝馬が女を連れて帰ってきたんだ。
その女と勝馬が抱き合っている。
「静かに・・・聞こえるよ。」
その声さえも、気にすると聞こえてくる。
子供を何だと思ってるんだよ・・・
留美は、急に腹が立った。
その行為が終わったようで、声が聞こえなくなると、留美の部屋のチャイムが鳴った。
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