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唐突にマリオネットの耳に人間が奏でる不快な音と同時に、それより一際大きな音、否、音楽が聞こえはじめました。
そして、マリオネットは踊りはじめました。
マリオネットは自分が、自分の体が勝手に踊るのを呆然と感じていました。
そしてマリオネットは今はじめて、自分が人形であることを理解しました。
自分が操り人形であることを、理解してしまいました。
マリオネットは幕が下がり、いつもの部屋のいつもの場所に置かれた後もずっと、ずっとぼんやりと虚空を眺め続けていました。
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