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それまでぼんやりと人間を見ていたマリオネットは、人間の手が自分の体に触れる直前に高く、高く跳躍しました。
マリオネットは自分を捕まえようと腰を屈めていた人間の頭に一度着地し、その頭を蹴って再び高く跳びました。
今度は人間からある程度離れた地面に着地し、マリオネットは人間から完全に離れるために走り出しました。
後ろで人間の怒鳴り声が聞こえましたが、マリオネットは気にする事もなく走り続けました。
そのままマリオネットは一昼夜止まることなく走り続けました。
その途中、マリオネットは先程見た蒼い『何か』が『海』であると理解しました。
それと同時に、マリオネットは自分が海が好きなのだと分かりました。
マリオネットは意思を持って初めて、何かを好きになりました。
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