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昔々、ある所に一体のマリオネットがおりました。
そのマリオネットはどこにでもある、極々普通のピエロの形をしたマリオネットでした。
ある夜のこと。何の前触れもなく、マリオネットに意思が生まれました。
マリオネットはぼんやりと目を動かします。
しかし辺りは薄ボンヤリとした灯りがあるだけで、殆ど何も見えません。
唯一見えたのは、適当に投げ出された自分の足だけです。
暫く虚空をぼぅっと見ていたマリオネットは、静かに目を閉じました。
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