マリオネット

再び目を覚ましたマリオネットは、前は何なのかよく分からなかった『何か』が何なのか理解できました。

広い空間は『部屋』で、色々な何かは『机』とその上に散らばっている『布』や『鋏』、沢山の『糸』や『針』や『綿』が置かれていました。

そして隣にいるのは熊や兎や猫などの形をした『人形』でした。

マリオネットは他にもなにか分かるものがないか探そうとして、ふと自分が見渡すことが出来る範囲が前より増えてることに気が付きました。

首を動かすことが出来たのです。

マリオネットが試しに指を動かしてみると、指は少しの違和感があるものの、マリオネットの意思どおりに動きました。

次に腕を動かしてみました。指と同様、腕も難なく動きます。

マリオネットは意を決して全身に力を籠めて立ち上がってみました。が、これには失敗して、前に倒れこんでしまいました。

そしてそのままマリオネットは力尽きた様に目を閉じました。