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ふいに目を覚ましたマリオネットは、初めて見る光景にしばし呆然としました。
自分が今いる場所は、意思を持った時から見続けてきたあの微かな光に照らされていた部屋の中ではなく、眩しいほどに光に包まれた所でした。
今マリオネットがいる場所は、床が平らで、真後ろには壁がありよく分からない模様が描かれていました。
左右にはいつもジッと動かず、沈黙していた人形達が遠目に見えます。
そして目の前は一瞬後ろと同じような壁がかと思いきや、なにか分厚い布が少し揺らいで存在していました。
マリオネットはそんなところに座り込んでいました。
なんとかそこから移動しようと思い、立ち上がろうとしましたが、まだ怪我が治っていないのかマリオネットの足は言うことを聞いてくれません。
どうしようもなくて、暫くぼんやりしていると、不意にマリオネットの両腕がピン、と何かに引っ張られました。
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