† Ⅰ †

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「あのぉ…一つ聞いてもいい…ですか?」 エレベーターに乗り込んですぐ、隣に立つ女の子に聞いた。 「何?お兄ちゃん。」 「君は僕の…妹?」 確かに僕に妹は居る。 でも…この子じゃない。 「何寝ぼけた事言ってるの?昨日、頭でも打った?」 そう言うと女の子は僕の頭を小突いた。 冗談を言ってるようには見えない。 でも、明らかに記憶の中に居る妹とこの子は違う。 「お兄ちゃん…それ、冗談よね?」 あまりに真面目に聞くもんだから彼女が不安げに僕を見上げた。 冗談だよと言ってあげたいけど 僕にもそこまで余裕は無かった。 .
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