72人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのぉ…一つ聞いてもいい…ですか?」
エレベーターに乗り込んですぐ、隣に立つ女の子に聞いた。
「何?お兄ちゃん。」
「君は僕の…妹?」
確かに僕に妹は居る。
でも…この子じゃない。
「何寝ぼけた事言ってるの?昨日、頭でも打った?」
そう言うと女の子は僕の頭を小突いた。
冗談を言ってるようには見えない。
でも、明らかに記憶の中に居る妹とこの子は違う。
「お兄ちゃん…それ、冗談よね?」
あまりに真面目に聞くもんだから彼女が不安げに僕を見上げた。
冗談だよと言ってあげたいけど
僕にもそこまで余裕は無かった。
.
最初のコメントを投稿しよう!