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とりあえず状況を確認したくて部屋を出る。
リビングにはさっきの女の子とコーヒーを運んで来た女の人が居た。
「具合、悪いの?」
女の人が空いた席にコーヒーを置きながら聞く。
そこはいつも僕が座る席で
自然と僕はそこに腰掛けた。
「お兄ちゃん、今日は大学行くんでしょ?途中まで一緒に行こうよ。」
目の前の…普段はジュンスが座ってる席に居る女の子がパンを頬張りながら言う。
大学…
確かに在学はしてるけど忙しくて行けてないそこに僕は今日行くのか?
頭は混乱する一方だった。
「ソヨン。明日はお父さんが出張から帰ってくるんだから寄り道しないで帰って来なさいよ。チャンミンもね。」
「は~い。あっ、ヤバい!お兄ちゃん、遅刻しちゃうよ!?」
残りのパンとコーヒーを口に流し込んで女の子が制服のブレザーを羽織る。
腕を思い切り引っ張られた僕は近くにあった自分のカバンを取ると
半ば引き摺られるように住み慣れたマンションを出た。
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