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キーンコーン……。
授業終了のチャイムが鳴る。
待ちに待った昼休みを告げるチャイムに、多くの生徒が喜んでいる頃。
チャイムと同時に教室を出た涼太は、二つ隣の一年二組の教室へ向かった。
ちょうど入り口近くにいた女子二人に、声をかける。
「悪い、結城はいるか?」
「結城さん?えーと……いないみたい」
教室の中を見て、一人が答える。
いないということは、購買か食堂に行ったのかもしれない。
「結城さんに用があるの?だったら屋上にいると思うよ」
もう一人の女子がそう言う。
「屋上か。ありがとな」
礼を言って、すぐに涼太は屋上へ向かう。
昼休みは長いが、二時間も三時間もあるわけじゃない。
二階から屋上までは、急いでも十分近くかかる。
涼太にはどうしても今日中に、いや今すぐにでも結城という同級生に会わねばならない理由があるのだ。
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