7人が本棚に入れています
本棚に追加
「た、頼む!助けてくれ!あれから何度も事故に遭いそうになったり、上から物が落ちてきたりしてんだ。今日だって電車に飛び込みそうになって……!俺このままじゃ死んじまう!」
両手を合わせて、必死に頼む。
それを聞いた桜の返事は、
「牛乳プリン十個」
だった。
「……は?」
思わず、間の抜けた声でそう言ってしまったわけだが。
桜は訳の分からない涼太に、話を続ける。
「だから、牛乳プリン十個。それで何とかしてあげるよ。どうする?命に比べたら安いと思うけど」
「わ、分かった!牛乳プリンでもプリンでも何でも買うよ!」
そう言うと、桜は満足そうに笑う。
さっきの面倒くさそうな顔とは、えらい違いだ。
「オッケー、商談成立。あ、成功報酬でいいからね。とりあえず、今君が身につけてる物を貸してくれる?」
「身につけてる物?えっと……」
急に言われて、涼太は焦る。
身につけている物と言われても、とっさに思い浮かばないわけで。
最初のコメントを投稿しよう!