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「その指輪に私の力を入れたんだ。とりあえず、指輪を嵌めてくれる?身につけてないと効果薄いから」
慌てて指輪を嵌める。
別にそれで何かが変わったということはないが、桜はそれを確認すると立ち上がって涼太の前まで来た。
さっきまで、あんなに近づくなと言っていたのに。
涼太の前まで来ると、桜はじろじろと涼太の全身を眺める。
何となく動いてはいけないような気がして、涼太は直立不動で立ち尽くした。
ほどなくして、「うん」と桜が納得したようにつぶやいた。
「とりあえずは大丈夫だね」
これに、涼太は待ったをかける。
「ちょっと待て、とりあえずってなんだ?これで終わりじゃないのかっ?」
「なわけないでしょ」
当然のように、桜は答える。
「指輪一つで何とかなるなら苦労しないよ」
確かにそうかもしれないが。
これで終わりだと思っていたから、ちょっとショックだ。
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