『社長になる』

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中には新品のブルガリの時計が入っていた。 レッタンゴロという30万はくだらない時計だ。 ちょうどタイミング良く私の欲しかった時計だったので、ビックリしすぎて、 口をパクパクしていると 「昇進祝いだ。もし気に入らなかったら捨てちゃってもいいぞ?」 と鈴木さんは言った。 この人は本当にお金の使い方が上手い。 こうゆうパフォーマンスは他の社員も俄然、やる気になるからだ。 さらに、「タマ(現金)を4つ(4百万)渡すから事務所を決めて備品も揃えろ。客に貸すタマは2つまでなら、すぐに追金するからな」 といいながら アタッシュケースから400万円を差し出す。 ここらへんで初めて 「俺、社長になるだなぁ」と実感が沸く。 だが、この後が本当に大変なのだ。
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