よろしく、先生!!

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-ヤバイ、消ゴム忘れた。ありえねぇ、誰かに借りに行くか…。- 鞄をあさったり、周りをキョロキョロ見回していると、隣に座っていた子が声をかけてきた。 『何か忘れたんですか?予備がありますから、お貸ししますよ。』 『け、消ゴム。助かった。サンキュー!!…じゃなくて、ありがとう。』 彼女は「いえ、どういたしまして。」と言い、ノートや単語帳を見るのを再開した。 彼女にとってはごく普通のことをしただけだったのだろう。 しかし、どういたしましてと言ったときに見せた笑顔は天使だった。 たったそれだけだったのに彼女の周りが輝いて見えた。 -嘘だろ、この俺が一目惚れか?いや、こんな漫画でもありきたりな展開じゃあ俺は落ちねぇ。- ワケの分からない言い訳を考えていたが、すぐ試験も始まり、頭から無理矢理おいやった。 試験も無事終わり、消ゴムを貸してくれた彼女に返そうと横を向くと、すでにいなかった。 どうやら、終了したと同時に出ていったようだ。 -どうせ、受かりさえすれば、会えるか。- 俺は、心残があるまま、帰っていった。
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