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『一ノ瀬くんは好きな人いますか?』
再びうつ向いていた圭は驚いた顔をしていた。
それもそうだ。
まさか、自分のことを聞かれるなんて思ってなかった。
『一ノ瀬くんは学校では有名人ですから。彼女もたくさんいらっしゃるようですし…。』
『…ちょ、ちょっと待って。俺、彼女なんていないよ。その…ちょっと…遊んで…は…いるかもしれないですけど…』
だいぶ、汗が流れ落ちた。
れんを好きだと気付いてからは、女遊びはやめた…つもりだったが…
…だって男の子なんだもんっ(//∇//)
-て、ふざけてる場合じゃねぇ。誤解をとかねば。-
『あ、あのね。その、あくまでお友達ですよ。友達。彼女じゃないから。』
あまりに必死な圭に少しおされつつ、れんは「そうですか」とだけ言った。
圭はフーと一息つき、言葉がでないのか、あの、そのばかり言っている。
なんだか言ってはいけないかもしれないが、可愛い。
今日は知らなかった一ノ瀬くんが見れた気がした。
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