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店を出て、少し歩きながら話を始めた。
『さて、人の恋愛をちょっと覗いてみたけど、恋なんて突然くるもんなんだよな。ビビビってさ。なんで、実はあせって考えなくていいと思うんですけども…(汗)』
『それも、そうですね。では、今日は帰りますか。』
れんが、普通に帰ろうとするので、慌てた。
ついさっきデート再開って話してたのに。
やっぱり意識されてない。
恋をしない理由がなくなったからって言われたから、つい「慌てなくても」って突然言ったのがマズったか。
『いや、えっと、そのだから、俺とデートしませんか?』
れんがじっと見つめてくる。
顔が赤くなってきてるのがバレてる気がする。
『ほ、ほら。練習ってことで。俺が恋人作るテク教えてあげるからっ。』
ついさっき、焦るなと言っておいて矛盾してるのは分かっているが、とっさにでてしまったものは消せない。
黙ったまま見つめてくるれんがやっと答えた。
『いいですよ。…どこにいきますか?』
そういうと、圭の腕に手を回しにっこり笑顔で見上げた。
圭はカチコチに固まりつつ鼻を押さえて「ありがとうございます」と大きな声で叫んだ。
その様子を見ながられんは少し笑っていた。
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