854人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらく街の中を歩き、ポイントごとに「こういう所は男も好きなんだ」とか「このシチュエーションは最高だ」とかいろんな話をしてくれた。
私は、それをただ、そうですかと答えて、後は黙って聞いていた。
けして、つまらないとかではなく、圭が必死に話す姿をみているのが楽しかった。
そして、夕陽がビルの向こうに沈む頃、丘の上の公園に来ていた。
デートの締めくくりには最高の場所らしい。
『うわぁ、夕陽がきれい。こんなきれいな夕陽はじめてみました。』
本当に景色のきれいなところだった。
紅く光る夕陽は暖かくて、ほんのり心も暖くなる。
けど、少し寂しくも感じるのはなぜだろう。
私はしばらく夕陽を見つめていた。
最初のコメントを投稿しよう!