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れんにたくさん話した。
この場所は最高だとか、ここはムード出るよとか、自分でも何を必死に話しているのか分からなかった。
ただ、なにか話しかけなきゃと思い、無我夢中に話続けた。
れんはただ、そうですかと答えるだけで、楽しくもない話にずっと付き合ってくれた。
ずっと笑顔で…。
俺はデートのシメだからと丘の上の公園に連れていった。
いつか、れんを連れてこようと思っていた場所。
自分の思いを伝えるならと決めていた場所。
思いを伝える勇気のない俺を夕陽が支えてくれる気がするから…。
『うわぁ、夕陽がきれい。こんなきれいな夕陽はじめてみました。』
「君の方がきれいだ。」
テレビで言っていたあのセリフをまさか自分も言いそうになるなんて…。
自分自身を少し笑いながら覚悟を決めた。
夕陽を見ているれんは本当にきれいだった。
勇気を振り絞り、圭は口を開いた。
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