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-…ガラガラ
『おー。お前ら席につけぇ。ホームルーム始めるぞ。』
いつもと変わらぬ朝が今日は違った。
担任と一緒に見慣れない人物が入ってきた。
…と同時に圭も飛込んできた。
『セ、セーフ。…て、思ったけどマズッた!?』
担任にはピキッと怒りマークが出ていたが、腕を組んだまま「一ノ瀬、早く座れ」とだけ言った。
ふと、視線を感じ、前を見た。
-誰だ、あいつ。なんか俺にらまれてない…?-
前に立つ青年に見られている気がしたが、遅れてきたからだろうと流し、席についた。
『始めに、紹介する。えー、こちら。今日から二週間、教育実習にきた…』
『橘です。よろしくお願いします。ニコッ』
-ドキッ-
「キャー、よろしくお願いします、橘先生~」
彼がニコッっと笑った瞬間、クラス中の女子が立ち上がって叫んだ。
というか、なんだドキッて。
これが圭にとって恐ろしいことの始まりとは知るよしもなかった。
-一ノ瀬…あいつか…-
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