よろしく、先生!!

6/14
前へ
/115ページ
次へ
『れ・ん・ちゃ~ん、おはよ。今日も可愛いね。』 『一ノ瀬くん…、おはようございます。』 一見、いや、誰が見たって関わりなさげな二人だが、実は入学当初からの仲だ。とはいうか、彼がなぜか私にかまってくる。 お陰で学校中で彼の次に有名になってしまった。 『毎日なぜ、私の所にやってくるのですか。あなたはこことは正反対の教室でしょ。』 『つれないなぁ、れんちゃんに会いに来てるってのに(泣)』 『何か用事でしたか。教科書を忘れましたか?』 『…そんなれんちゃんが大好き。…古文で~す。』 こんな会話は日常茶飯事。 辺りから痛い視線が飛び交っているが、れんは気づかない。 本人は、毎日、圭がわざわざ端のこの教室までやってきては冗談を言い、教科書を借りに来るのか、考えていた。 これを考えるのがれんの日課になっていた。…一時間目が始まるまでだが…。 古文の教科書を渡し、続きを読み始めようとしたら、圭がジッと見つめていたのに気づいた。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

854人が本棚に入れています
本棚に追加