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一瞬、彼が冗談を言っているか、からかっているのかと思った。
だが、どちらでもなさそうだ。
しかし、彼は遊び人と言われるほどの人だ。一端を知ることができるのではなかろうか…。
そう考えた結果…。
『でわ、お願いします。えっと、一ノ瀬先生?』
教えてもらうなら先生と呼ぶ方がいいのかなと思い言ってみたが、彼が黙っている。
-先生は、いやだったかな?-
気になったので聞いてみた。
『先生は…イヤ?ですか…』
と、その瞬間、彼は顔を真っ赤にして「先生って良いネ…」と言った。
先生がそんなに好きだったのだろうか?。
よく分からなかったが、赤いので、熱でもあるのと尋ねると、ふいっと横を向いて、大丈夫だからと否定した。
そして、また来るとだけ言って教室を出ていった。
彼が出ていった後、隣の席に座っていた子に、「橘さんも罪なお人だね。」と言われた。
なにか、悪いことでもしてしまったのだろうか?
かくして、れんの恋愛教室が始まったのである。
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