夜     †Lento†

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「あ、そういえば…」 ルサルカはポケットからメモを出して広げた。 カフェでディノに渡されたものだった。 固い印象を受ける字で住所が一件書いてある。 『なんかあったら此処に来な』 ディノの言葉を筆頭にカフェであったことを思い出す。 コーヒーの匂い。 嵐のように吹き荒れる演奏。 賑やかな人々。 わずか数十分の出来事だったが、ルサルカにとって街での最初の良い思い出となっていた。 行ってみようか。 ルサルカはメモを手にベンチを立った。
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