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暗い路地に差し掛かる。
足音が石畳に落ちて、ひっそりとした静寂を際立たせた。
細い道をいくつも曲がる。
その時だった。
いきなり後頭部に鋭い衝撃をうけ、ルサルカは前方に倒れ込んだ。
「……っ!?」
突然のことに事態が飲み込めないまま痛む身体を起こそうとすると、背中に更なる衝撃が何度も襲う。
ルサルカは咄嗟にキーボードをかばう。
ガヅッ、と嫌な音がして目の前を黒い靴が横切り、頬にビリッと痛みが走った。
「ん……?女か?」
上から、下品な男の高笑いが聞こえてルサルカは顔を上げようとするが、完全に組み倒されてしまった。
「なんも持ってねぇなら、仕方ない。せいぜい楽しませろよ」
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