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「ちょっと待ってな」
ディノはルサルカを座らせると、そう言って奥に引っ込んだ。
中からゴソゴソと音がして、そこから何かがルサルカへ放り投げられる。
「!?」
突如、視界が暗くなりルサルカは驚く。
バサッと暗闇を顔から取り払うと、それは服のようだった。
「俺ので悪いが着替えときな。風邪ひくよりはマシだろ?」
「あ、ありがとうございます…」
ルサルカは目を白黒させる。
ディノはよし、と頷いて、また違う部屋へ入っていった。
ルサルカはしばらく唖然としていたが、言われた通り着替えることにした。
濡れてペッタリと肌に張り付いた服を脱ぎ捨て、貸してもらったシャツを被った。
ボタンは付いていたが、一つも外さずにすっぽりと中に収まってしまう。
袖もかなり余って、手が出るようにたくしあげた。
「やっぱだいぶでかいか…」
そう言いながらディノが両手にカップを持ち、扉の奥から現れた。
ルサルカの前にカップを一つと、向かいの席にもう一つを置き、自分も座った。
「何があったか、話せるか?」
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