夜     †Lento†

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ディノは更に話を続ける。 「それで、仕事と住家は見つかったか?」 「……あ」 すっかり忘れていた。 「やっぱりな」 ディノは含み笑いをした。 ルサルカは言葉に困って目が泳ぐ。 「汚ねぇとこだが」 ディノが床に転がっている酒瓶を蹴飛ばして言った。 「この部屋は好きに使っていい。だが業務中は片付けくれ。唯一の客間だからな」 「あ、あの…」 ルサルカを意にも介さずディノは続ける。 「ただし、タダとは言わない。俺の仕事を手伝ってもらう。あと、お前の住家が決まるまでだ。入り浸るなよ。それから置いてある酒は勝手に飲むなよ。未成年だろ?」 ルサルカの目に輝きが灯った。 「はいっ!」 勢いよく立ち上がり頭を下げる。 「よろしくお願いします!」 「ああ」 ディノは怖面に微笑みを浮かべた。
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